人生を反映する花祭壇

白木の祭壇が鎮座する、ひと昔前までのスタイルに替わり華やかさを増した最近の葬儀スタイル。華やかさの理由のひとつには、花祭壇と呼ばれる、花をたくさんあしらったスタイルが人気を呼んでいるからのようです。

“供花といえば菊の花”というおきまりの固定概念も年々薄れ、ラン、ユリ、チューリップ、カトレア、カーネーションなどなど、少し前までは想像もされなかったような、実に多彩な花々が選ばれるようになりました。やはり偲ぶ思いから、故人の好きだった花を指定する傾向ができつつあるようです。

そうはいってもやはり、ヒマワリの祭壇や、真っ赤なバラで飾られた個性的な祭壇は、これまでのイメージとあまりにもかけ離れているため、参列する側としては一瞬ハッとさせられるのも否めない心情ですね。しかし、自分の葬儀と考えてみるとどうですか。この花祭壇、実現する多くの遺族の理由には「好きな花に囲まれて送られたい」という故人の生前からの願いを叶えたかったから、というものが多いのです。

いつか必ず誰しもに訪れる“死”とちゃんと向き合い、自分の葬儀の姿を想像し客観視できてる人というのは、たとえ会話の中だけであっても、こういった遺言を残せているのかもしれませんね。でも実際にそれを叶えてくれるのは周囲の方々です。とても尊い存在に囲まれていたのだと、きっと最期の幕引きの瞬間に実感できるというものです。また、最期にそう思えるような人生にしていくというのは他の誰でもなく自分なのですから、今を大切に生きていきたいものですね。さて話を戻しましょう。

よく耳にする言葉ですが、葬儀は結婚式と同じく、まさしく“人生で一度きりのセレモニー”です。結婚式においては女性は特に、ドレスや教会、ブーケ、式場の装飾など、こんな式にしたいという希望や夢を細かく膨らませる方が多いですよね。葬儀も同じなんだと思います。好きな生花をふんだんに使ってアレンジした祭壇は、自分だけの人生の大舞台なんですよね。あなたならどんな舞台に降りたいですか。どんな花々に囲まれてエンドロールのごあいさつをしたいですか。少し気楽に考えてみると、花祭壇とまではいかずとも花に囲まれて眠る体験というのは人生にそうあることじゃないですからね。どうせなら好きな花がいいなと、なんとなく思えてきた私です。“死”という大きな現実と向かい合うことなんですが、必ず迎える事実を花と結びつけていると、なんだか幸せな想像に思えてくる気がしませんか。